ほんとうの空色

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[No.1043] ほんとうの空色
美しいドラマである。
鬼才・柴原光監督、若干23歳のデビュー作。色褪せることのない、傑作である。おそらく今後もずっと…。
売り出し中の新進画家が、彼の恋人であるリンの家で同居生活を始めることになった。近々開かれる個展に向けて、制作に専念するためだ。リンの家には年老いたリンの母親がいて、色々と彼の面倒を見てくれる。その中で彼は絵を描き、リンと愛し合い、と充実した生活を送っていた。
そんなある日、彼のパトロンの画商から(その画商とは、金銭的援助を受けるために肉体関係があった)、個展が成功したらニューヨークへ行かないかと言われる。今の心と身体が充実した生活を続けるか、画家としてニューヨークへ留学して上を目指すべきか…。彼も、そして恋人のリンも、重要な決断を迫られる…。
とにかく、画家を演じる石井基正が美しい。素晴らしく端正なマスク。素晴らしく均整のとれた身体。少し翳のあるような静かな演技。どれもほんとうに美しい。またストーリーも哀しくはあるが、人が生きるということを声高に叫ばないで、静かに流れながら心に染み入ってくる。これも美しい。
監督の演出、カメラワーク、そして音楽。これらも美しい。
これらの美しさが絡み合って、奇跡のような映画が誕生したといっても過言ではないかもしれない。
が、あまり美しい、美しいと書いていると、エロ映画としては二流じゃないのかと思われるかもしれないが、石井基正のSEXシーンは何度見ても著しく興奮する。やはりイイ男が悶える姿というのは、誰が何を言おうと極上のエロスなのだ。
まさに必見。貴男に送る、珠玉の1本です。
※35ミリフイルム・DVDの両形式とも配給できます。
※[CINEPO.com] にてセルビデオも販売中。
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1992年制作
[監督]柴原光
[脚本]柴原光・五代響子
[撮影]下元哲
[照明]伊和手健
[企画]ブレイク・イン
[製作・配給]ENKプロモーション
[出演]石井基正、池島ゆたか、吉岡一郎、日比野達郎、芹沢莉緒、逢坂武、清水大敬、藤ひろ子
