イルカは海に帰る
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[No.1054] イルカは海に帰る
デビュー作『ほんとうの空色』で、ゲイポルノ映画でありながら、日本ピンク映画大賞の新人監督賞を受賞するなど、鮮烈な登場をした、柴原光監督の長編第2作。本作でもその力量は冴えに冴え渡っている。
主人公の設定に、不器用な生き方しか出来ない、だから現代社会からドロップアウトしかかっているという人物を持ってくる辺り、監督の視線は優しい。この恋人関係にあたる主人公二人を中心に、物語は進んでいくのだが、現実はやはりこの二人には厳しい。やがて、どうしようもなくなっていき、二人は破滅への道を転がり込んでいく。が、監督の視線はここでもどうしようもなく優しく、ラストでイルカというキーワードになるものが、再生の道を進むシーンには素直に感動してしまう。柴原監督、やるな〜。
『ほんとうの空色』でもそうだったが、柴原監督のSEX描写は、エロの中に猛烈な愛を感じる。たとえ行きずりのSEXであろうとも、その行為中の男の向こうには、常に愛する人が存在する、そんな感じが伝わってくるのだ。だから興奮できる。もの凄いエロなのだ。
あと、音楽。友情参加で、元アナーキーの仲野茂が担当。またARBも楽曲提供をしているのも特筆ものです。
※35ミリフイルム・DVDの両形式とも配給できます。
※[CINEPO.com] にてセルビデオも販売中。
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1994年制作
[監督]柴原光
[脚本]五代響子
[撮影]中尾正人、西久保維宏
[照明]多摩三郎、多摩次郎
[音楽]野島健太郎
[助監督]森田高之、森山茂雄、杉山正弘
[製作]オフィスバロウズ
[配給]ENKプロモーション
[出演]伊藤猛、山本清彦、池田タケ、日比野達郎、清水大敬、堀江基博、平口弘美、サンダー杉山